硫酸事件から考える事

今回は今までのコロナの話ではなく、タイムリーな事件があったので、みなさんにどうか協力をしてほしくて記事を書きます。

 

私は大きな傷跡と大きな心の傷をおいました。そんな私だから伝えたいことがあります。ずっと昔に、心の奥にしまい込んで思い出さないようにしてきました。

 

私はどこにでもいる学生でした。友達とも仲が良く、勉強もそれなりに頑張って、両親同士がくだらない喧嘩をしたりすることもありましたが、基本家族は仲良し!うん、毎日は平凡だけど、これが大事と思って過ごしていた。

 

そんなある日友達との会話で、『通学路にある道路の両脇に雑草が生い茂った場所あるよね?』私は、あーちょうど電灯もなく薄気味悪いところだよねと友達に向かって話したら。『そこなんだけどね、変な男が女性をずって眺めてるって友達から聞いたの。』もしそんな男いたら盛大に叫んでビックリさせやろうと冗談交じりで話をしていました。

ただ、私は内心とても不安でした。なぜなら普段から使用している通学路だったからです。

普段は友達と帰ったり、夕方には家に着くのですが、その日は雨でした。友達が一緒に帰ろうとやってきます。ごめん、傘忘れちゃって近くのコンビニで買ってから帰るね。

テスト期間だし、今日は先に帰っちゃって、付き合わせると申し訳ないし。

そして友達と別れ、傘を購入した帰り道、遠目から草が両側に生い茂っていて、街灯もなくて怖いな、けどこっちからいかないと遠回りになるから。

 

道の半分を歩いた辺りで、後ろから首を殴られました。目の前の状況を理解できず声も上げられなかった。手すら動かせなかった…男は馬乗りになり、お腹を殴る・・違うナイフで刺してる、首も殴られたのではなく斬りつけられていることに、流れる血の感触でわかりました。死にたくない、その一心で暴れ、相手の体制が崩れたので草むらに逃げ込み、反対側の道路に走り抜けました。

あまり覚えていませんが、男性が道路を歩いており、必死に助けてと助けを求めました。

次に目が覚めたのは、白い天井、透明なガラスの壁、少ししてから病院だと気付き、先生から凶器はナイフか包丁で、君の肝臓や肺まで到達していた。これから一緒に治していこうと勇気づけれくれましたが、当の私はあまりに現実味がないので、感情が全くない人形のようでした。

それからすぐ家族が泣きながら会いに来てくれました。初めて生きているんだ、家族に会えたんだと安心感がこみ上げてきて取り乱してしまいました。

 

医療者の懸命の処置もあり、私は幸い後遺症もなく日常生活を取り戻しました。

体の3か所に刻まれた太く長い切り傷は跡として残ってしまったけど、服と髪の毛で隠ました。今でも、外で人とすれ違う時には体がビクッと硬直してしまいます。少しでも暗い道だと進めなくなります。

 

それに、男性と行為をするのも嫌でした。見ればわかる、触ればわかる、それくらい大きな傷跡です。聞かれたら一から説明しないといけないし、その時の怖い記憶も鮮明に蘇ってきて、いい雰囲気もしらけてしまいます。

ただ、今の旦那は違いました。普段から冗談やとぼけたことを言ってくるのに、絶対に傷のことには触れません。言葉は時々乱雑になりますが、根はやさしい人。だからこそ、あえて聞かない、これが旦那の優しさなのだと思い、事件を思い出す頻度、そのストレスは以前よりも減っているように思います。

 

最後に伝えたいこと。

東京駅で濃硫酸を男性にかけた容疑者が、新幹線で静岡に帰省し、どこかに潜伏しているとニュースで放送されていました。

どうか、疑わしい人を見つけたらすぐに通報してください。

濃硫酸をかけられた男性は、顔と眼にも硫酸を浴びています。以前の日常に戻れないかもしれない、戻れたとしても多くのものを失うと思います。どんなに辛くて、苦しいことか。

こんな事件があっていいわけがありません。

 

だからこそ、似ているなと思ったら躊躇せずにすぐに110を通報をお願いします。

指名手配されているので、検索すると顔はすぐに出てきます。

 

また、潜伏先を変えて駅や人の集まる所で同じ犯行に及ぶかもしれません。

人が多い所でも、周りに注意してください。次の犠牲者が出ないことを心の底から祈っています。